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部屋探しの最大のコツは「人の意見は気にしすぎるな」。ネットで探すので全然大丈夫です

ふだん、不動産会社で働いているため、部屋探しのコツを教えてください!みたいな質問は非常に多くいただくのですが、私から正直に言えるコツは「人の意見は気にしすぎるな」これに尽きます。

部屋探しで気にしなくていいこと

「こうしたほうがいい」条件って実はあまりない

部屋探しのコツでよくいただく質問にはこんなものがあります。 

  • オートロックつきの方がいい?
  • 1階の部屋はやめたほうがいい?
  • 北向きの部屋はやめたほうがいい?

この3つに限ったことでもないのですが、「実際に見に行かないことにはなんとも言い難い」のが結論です。

 

オートロックは比較的簡単に突破できるため、セキュリティの問題は、周辺の雰囲気だったり、人の目の届きやすさだったりを重視した方がいいです。

1階の部屋も同様で、周辺の環境や、建物の構造上、「日中カーテンを開けていても、ベランダに洗濯物を干していても全然気にならない」部屋もたくさんありますし、逆に2階以上でも「隣の建物との距離が近すぎて、カーテンが開けられない」部屋とかも全然あります。

南向き、北向きも同様。向き以上に建物同士の位置関係やら、階数やらで日当たりは全然違います。

なので、具体的な部屋を出した上で「この部屋どう思う?」という質問にはお答えできますが、上記のような質問にはほぼ、回答不可能です。

 

また、人によって求めているものも、千差万別です。

例えば、私は長年の引越し経験によって自分にとって最重要視すべき条件は「眺望」である、ということがわかったのですが、人によっては全く眺望必要なし、という人も全然います。私は1日中、カーテンを開け放して過ごすのが好きなんですが、逆に夜は完全遮光の状態でないとリラックスできないという人も多いです。

 

では、条件を決めるときどうしたらいいのか?ということなんですけど、「どんな部屋でもわりと暮らせるようにしておく」ことと、「ピンときたら、即決しちゃう」のが一番ですね。人の意見を聞きすぎて「この部屋もダメ、この部屋もダメ」としてしまうのは一番意味がないと思います。

その上で、「自分にとって一番大事なこと」(私にとっては眺望がそれでした)を見つけると良いと思います。「ピンとくる」っていうの結構大事で、自分でも言語化できていない条件がそこには隠れてたりします。

 

自分が納得できてる家賃なら、他と比べるな

「条件は変えず、今より安い部屋があるんじゃないか」と部屋探しされる方も時々いらっしゃいますが、やめておくことをすすめます。

なぜなら引越しには、結構な費用がかかるから。

例えば、8万円の家賃の部屋から7万円の家賃の部屋に引越すと、初期費用+引越し代で、だいたい50万円ぐらいの余分な費用がかかります。つまり50ヶ月住んでやっとトントン、ということになるので、よくよく考えた方がいいですね。

最近はほとんどの人がネットで部屋探しをしてるので、めちゃくちゃ割高な部屋とかめちゃくちゃお得な部屋とかあまり存在しません。ほぼ家賃相場並みになってます。逆に、高い部屋は設備がいいとか、安い部屋は音がうるさいとか、何かしらの理由があります。「理由」と「タイミング」によって家賃は決まってるので、あまりコスパだけにとらわれて部屋探しをしないほうがいいです。

今の部屋に大きな不満がなくて、条件もそれほど変えたくないなら、「少し割高かな?」と思っても気にせず住むのがいいです。

 

部屋探しで知っておくといいこと

こちらの方のTwitterのまとめを見ていたのですが、「なんかちょっと違うなぁ」と思うことが多かったので少し解説します。

 

togetter.com

 

「管理会社(元付)」は1社、「仲介会社(客付)」はたくさん

一番、不可思議だったのは、一般の仲介会社(客付)と、管理会社(元付)がごっちゃに書かれていることです。

上のまとめにも出てくるレインズって何かということなんですが、これは宅建業法をもとに国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営している不動産物件登録のシステムです。宅建登録している会社しかログインできないようになっています。

 

レインズの他に、大半の会社はATBB(アットホームが運営している不動産会社向けのシステム)などの不動産管理ツールを使ってます。

business.athome.jp

ATBBにわかりやすい図があるのですが、このシステムによって、「オーナーさんから管理を任されている会社(元付)」が物件を登録し、元付だけでなくたくさんの「入居者さんに仲介する会社(客付)」がその物件を取扱物件としてアットホームやらスーモやらホームズやら……といった一般の不動産ポータルに掲載し、お客さんを呼びます。

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 なので、「業者向けシステム」では1件(※複数の会社が元付の時もある)だった物件が、「一般の仲介サイト」に載るときには多数の仲介会社によって掲載されているので何十件もある、という状況が起きます。

ECサイトで例えると、同じブランドの同じ服を、楽天とかzozoとかでいろんなセレクトショップが売ってるような感じです。 ただ、洋服と違うのは、部屋の場合は在庫が1点しかないので、他のショップで売れたらもうない、ということです。在庫は管理会社(元付)が管理してます。

不動産屋さんに行ってレインズ(なり ATBBなり)を叩いてもらった方がいいのはそれが在庫の元データだからです。特に「スーモに載ってるけどレインズにはもうない(募集終了してる、もしくは元々存在してないおとり)」という物件も結構あるので、元データを見る方が早いぞとなるわけですね。

 

レインズやお店ならば「いい物件」がいっぱいあるわけではない

では、レインズを直接見たり、お店に直接行ったりすれば、「ネットに載ってるより良い条件のものがごろごろある」かというと、そういうわけではないです。

空室が出たばっかりの物件をネットに載る前に紹介してもらえる場合もありますが、ほとんどの物件は、レインズに掲載すれば瞬く間になくなるような「良条件」で出したりしないからです。管理会社のお客さんは入居者さんだけではなく、オーナーさんでもあるからです。

周辺の家賃相場をきちんと見て、「このぐらいの家賃だったら、決まるだろう」というところで募集条件を決めます。最初からお得な家賃にしておいて、しかも店に来た人限定で出したりしないです。

初めは強気な家賃で出して、一般仲介もネットも含め広く募集して決まったほうが、オーナーさんにとっても自分にとってもメリットがあります。

初めは強気の家賃で出してみたけど、ちょっと値下げして再募集、みたいなこともよくあるので、いちいちお店に足を運んで探してもらう手間をかけるより、ネットの「新着物件」をよくチェックして、いいものを見つけたらすぐ問い合わせるのがいいです。

 

両手仲介(オーナーさんからも入居者さんからも手数料をもらう)を狙って、自社の物件を囲い込みするような管理会社もあるので、そういう会社であれば「他社やネットには出してない物件があります」ということになりますが、そういう割と悪質な管理会社の部屋に住みたいですか?という話でもあります(仲介と違って管理会社との付き合いは長い)。

 

「足繁く通えばいい条件のものを回してもらえる」というのも嘘です。

賃貸の仲介手数料は、どれだけ時間をかけてももらえる金額は同じなので、不動産屋さんにとって一番いいお客さんというのは、「すぐ引越さないといけないので、今日絶対に部屋を決めます」という人だからです。

「時期はいつでもよくて、いい物件があれば引越したいです」という人に、小まめに物件情報を送ってくれるような営業マンは、よっぽど暇でいい人なのか、あるいは自分にとっていい物件(「AD(広告料。オーナーさん側からもらえる手数料、つまり仲介手数料のことだが、仲介手数料と言ってしまうと法律に引っかかるので広告料という)」がいっぱいもらえる物件や何ヶ月も空いている滞留物件)をせっせと営業している可能性が高いです。 

また、先ほど言ったように、「お得な家賃で出てる掘り出し物件」なんてものはほぼ存在しないので、「誰にとってもお得な部屋」というのはないです。

だから、「いい物件があれば送ってください」とか言われても、正直な営業マンほど対応に困るのは理由があって、「いい物件」なんて人によって全然違うので、毎日その人のためにレインズの星の数ほどある物件の中から一生懸命探しても、無駄骨になることが圧倒的に多いんです。あと、そういうタイプの人は、めちゃくちゃ条件のいい物件が出た時にも即決できないことが多く、メールでやりとりしてる間になくなります。

「自分にとっていい部屋」は、自分が一番よくわかると思うんですよね。営業マンに自分の希望を100%理解してもらうよりも、自分でネットでせっせと検索したほうがいいです。

 

あと、その会社が管理もやってる会社なのか、一般仲介メインの会社なのかで結構営業マンの対応はちがいます。管理の会社は、なるべく自社の管理物件の空室を早く埋めたいという気持ちで接客しますし、一般仲介の会社はとにかく手数料(AD)のたくさんある部屋で決めさせようとしてきます。ですが、管理もやってる会社か?ていうの、素人に判断するの難しいですし(管理の会社は一般仲介に紹介してもらえなくなると困るので、うちが管理やってるとはあまり大っぴらにしません)、管理メインの会社にも変な会社は死ぬほどありますし、営業マンの性格にもよりますし……来店していい営業マンを見つけて相談して決める、というのはめちゃくちゃハードル高いよなぁと思うわけです。

 

「ネットの新着物件」をしっかりチェックするのがいいぞ

来店したほうがいいのは、「山手線沿線、駅徒歩10分以内で賃料5万円」みたいな無茶な条件で探して「なかなかネットでいい部屋が見つからない」というようなパターンの人です。一度営業マンに相談して、条件の設定から考え直したほうがいいですね。

あるいは、「急いで引越すので、今日、募集の出てる物件の中から決めたい」という人。その場合は、ネットで検索するより元データであるレインズを見てもらったほうが早いです。

よくある「半年以内にいい物件があれば引っ越します」のタイプの人は、地道にネットで探しましょう。ネットの新着物件を、初めは条件きつめにセットして、引っかかるものがあれば通知する設定にしておくだけで十分です。

わざわざお店に足を運んでも、営業マンになんだかんだと言いくるめられてその日に申し込みすることになるか、「いい部屋があれば連絡しますね」と言われて放置されるか、定期的に無意味な営業メールが来るか、いずれかの可能性が非常に高いですので。

不動産営業マンというのは、「お店に来てくれればネットに載ってない物件も出せますよ〜」とか、「この物件、今日、空きが出たばっかりで、ネットではまだどこにも出してないんですよ〜」ぐらいの嘘は常套句として平気で言う人たちですから、どうぞお気をつけて。

 

全てが面倒になったらUR賃貸住宅もおすすめ

では実際に私がどのように部屋を探したかについてですが、上記のような不動産業界の内部事情が面倒だったので、UR賃貸住宅で探しました。

結局それかよ!という感じですが、非常に楽なので、全てが面倒な人(そして設備や築年数、エリアなどの条件にそこまでいろいろこだわりのない人)にはおすすめです。

別にURの回し者ではないんですが結論が結局そうなってしまいました。ご参考まで。

www.1k-interior.tokyo

presented by 東京エスカレーター / CC BY-NC 4.0